Mobilinkdは、bluetoothつきのKISS TNCなので、TinyTrak4のように単体でデジピータができません。
(TinyTrak4の場合は、ファームウェアにデジピート等のだいたいのAPRSの機能が載っていますので、PC不要でなんでもできます。)
UI-View32、AGWTracker、Xastirのようなアプリで、bluetooth経由でMobilinkdにつないで、デジピートやI-Gateの処理を行う必要あります。
自分は省電力のラズパイでやりたいので、direwolfでMobilinkdに繋ごうと思っていたのですが、direwolfは、外部のKISS TNCをサポートしていないようです。(direwolfは、それ自身がサウンドカードTNCなので、仮想のKISS TNCとして動作して、XastirやAGWTrackerからdirewolfのAGWPEのポートに接続受付可能です)
想定としては、車をモービル半固定状態で、APRSの仮設デジとする感じ。
車には、既に、UV-5R+リニア+Mobilinkd が設置してある。
これにRaspberry Pi Zero W上のAPRXから、bluetooth経由でMobilinkdに接続して、仮設デジとして稼働させる。
こんな感じです。
MobilinkdでAPRSdroidで、ビーコン出せるところまでは、完成している前提です。
ラズパイ(Raspberry Pi Zero W)のインストールは、
(1)まず、bluetoothでMobilinkdにつなぐ
(2)APRXを起動させる
というステップです。
まず、bluetoothの設定。
これは、raspbian-stretch-liteの標準の機能でできます。
sudo bluetoothctl
(ここからbluetoothctlのコマンドライン)
agent on
default-agent
scan on
これで、MobilinkdのTNCを見つける。
pair XX:XX:XX:XX:XX:XX
これで、Mobilinkdへのペアリング完了。
exit
sudo rfcomm bind 0 XX:XX:XX:XX:XX:XX
これで、/dev/rfcomm0で、mobilinkdに接続できるようになります。
次に、APRXをインストールします。
http://thelifeofkenneth.com/aprx/
wgetなどを使ってダウンロードし、
tar xvfz aprx-2.9.0.tar.gz
解凍されたファイルの中にINSTALLというファイルがあるので、これを見てコンパイルします。
インストール完了すると、/etc/aprx.confというファイルがあるので、これを適宜編集して、
/sbin/aprx
を実行すれば、OKです。
上記のように、/dev/rfcomm0にMobilinkdをつないだ場合は、
/etc/aprx.confは、以下のような感じでOKです。
mycall コールサイン+SSID
<interface>
serial-device /dev/rfcomm0 19200 KISS
tx-ok true
ratelimit 60/120
</interface>
<digipeater>
transmitter $mycall
<source>
source $mycall
</source>
</digipeater>
sudo rfcomm bind 0 XX:XX:XX:XX:XX:XX
/sbin/aprx
と書いておくと、
Mobilinkdの電源を入れた状態で、モバイルバッテリに、ラズパイをつなぐだけで、
デジピートが開始します。
簡単にいうと、Mobilinkd+ラズパイで、仮設デジになります。
なおAPRX は高機能で、アメリカの広域デジにも採用されているようです。
複雑な制御を行うクロスバンドのデジピートとかもできます。
日本だと、クロスバンドのデジは、いまだにUI-View32とかで運用されているのもあるようですが、さすがに時代遅れ感を感じます。
おそらく、これからマトモな、広域デジやI-Gateを開設するなら、
モービル機+TinyTrak4, TNC-Xに、APRXっていうのが、オススメです。
また、低コストで、ちょっとI-Gateごっこして遊んで見るなら、
UV-5R + BTECH APRS-K2 Cable + ラズパイ +サウンドUSB(コンボジャックのやつ)で、direwolfを使うのが、オススメです。何しろ低コストです。
多くの人は、linuxのコマンドラインが嫌いなんでしょうけど、いったんなれてしまえば、安定しているし、サーバ運用には最適です。